ヨノナカ童貞。

食物連鎖の下から2番目

最悪の休日ってこう。

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貴重な土日は昼から始まる。
 
金曜日の夜遅くまで働いていると、金曜日を無駄にしたくないためか無駄に夜更かしをする。
 
そのせいで土曜日は昼に目覚めてしまう。
 
 
家には誰もいない。
 
 

朝(実質昼だが)、ご飯を作る気力もなければ外に出る気力もない。

 
平日に開けた、湿ったポテチを口にする。 
 
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ある程度お腹を満たしたところで、コンタクトをつけるのも面倒なのでメガネをかける。
 
とりあえずと歯をシャコシャコと磨きながら鏡で自分の顔を見る。
 
メガネの度数が高いので目が小さくなり、ブサイクな顔がいっそうブサイクに見える。
 
「こいつ、何のために生きてるのだろうか。」
と考えるようになる。心まで暗い。
 
このままでは、たんに酸素を吸って二酸化炭素を出すだけの"生き物"になりかねないと思い、午後からは何かしようと考えるも何も思いつかない。
 
スケジュールを埋めることに生き甲斐を感じている女子のことは軽蔑していたが、自分のような休日を回避し未来を全力で楽しむための準備なんだと気づかされる。
 
とりあえずなんとなく歯を磨いてスッキリしているので部屋のベッドに戻る。
 
寝たら1日が終わってしまうため、目を瞑りながらも絶対寝ないぞと意識をはっきりさせながら、楽しいことを思い出しながら空想に耽る。
 
 
 
空想に耽る。
 
 
 
耽る…
 
 
 
 
 
 
 
 
時計は17:00を指している。
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「やってしまった…」と一言。
意識的に何も活動していないのになぜか夕暮れがかっている空を見上げて気が滅入る。
 
この時間であればまだ何かするには十分間に合うはずが、夕焼けの空は自己嫌悪を感じるには十分すぎる演出効果を持つ。
 
一方でとてもスッキリしている自分の肉体に腹が立つ。
 
ふと、そばにあるスマホですでに速報でもない今日のニュースを見る。
 
 
あっ…
 
 
自分の大好きな有名人のイベント近くでやってたんだ…
 
 
一生に一度あるかないかというほど偶然にも地元近くでイベントをやっていた。
少し足を伸ばせば行ける距離だったのに…。
 
 
このままでは終われるか。
夕飯こそは少し贅沢をしたい。
 
しかし、土曜日にこんな生活をしている者にグルメの素養など全くない。銀座とか、代官山とか行けば美味しいものとかあるのかな。
 
乗換案内で調べてみる。
銀座駅から家までの距離、往復の所要時間、探す時間、お値段。行って帰ってくるだけで3時間も奪われるのか…。ご飯なんか明日すぐに忘れてしまう快楽を求めるよりも、他のことやったほうが有意義ではないのか。
 
そもそも一緒に食べる友人がいてこその楽しみであって、1人で食べに行ったところで…
 
マイナスのイメージばかりが先行する。思考がもともとネガティブなのだ。
 
結局、テレビをつける。
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月曜〜金曜まで働きづめですっかりと世の中のテレビ番組に追いつけなくなっていた。
 
チャンネルを回すと、知らない若い女芸能人がタメ口で話している。若さが売りの彼女らはその時代にたまたま頭一つ飛び抜けただけで、1年もすればまた知らない女の子に入れ替わっているのだろう。
 
ポテチ程度ではもちろん腹持ちするわけもなく、テレビ番組に飽き飽きしていたところでお腹が鳴る。
 
 
お腹すいたな、コンビニ行こ。
 
 
メガネをかけたままだと人前に出れないので、近場のコンビニを選択する。それでも、この格好が1番楽なのだ。
 
会社のお昼は専らコンビニ。もうほとんどの商品パターンは味わっているので、意志を持って選ぶというよりはむしろ、消去法で商品を選んでしまう。「これならマシだろ…」と。すべての食事をうまいうまいと食べれた子どもの頃が懐かしい。
 
 
20:00をまわる。
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あと、数時間と1日でまた会社が始まる。休日の残り時間を数えられるほどに、
 
 
そこからの時間の経過は速い。
 
 
何をしたのかの記憶もなく、どんな気持ちだったのかも覚えてるわけもなく、夜更けを迎える。
夜と昼の時間の流れは絶対に違う。
 
こんな時間でも、今日は何もしてないから少しでも長く起きて取り戻したいと願う。まるで、若い頃のツケをずっと抱え続けている老人のようだ。
 
そしてまた、次の日のお昼に目覚めるのである。
 
 
 
ああ、重力に押し潰されないかな