雨のハロウィン リア充はどうするの?
ーーーハロウィン
しかし、2016年のハロウィンは雨予報。
さすがのリア充とはいえども悪天候のなかでは本領を発揮することはできないだろう。奴らは学生時代雨が降ったら学校にいかないタイプのはずだ。小学生すら雨でも登校できるのに、奴らは雨には滅法弱い。
盛り上がりは少なく見積もっても1/3以下になるだろう。
つまりチャンスだ。
今年は非リア充でもハロウィンに行けるのではないかと踏んだ。
かくして10/29土曜日、意を決して渋谷に行くことに決めたのだ。
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当日
ここは大都会東京・渋谷。
いくらハロウィンとはいえ、雨予報だし時間はもう既に22:00を回っている。おそらく街には人っ子一人おらず、ゴーストタウンと化しているだろう。当たり前だ、22:00なんて自分が大学生の頃ならとうに眠りについている時間だ。
「無駄足だったかな」と思い、駅を降りる。すると、どこからともなく何かの《鳴き声》と《聖なる力》を感じる。
こわい。
リア充の友人の付き添いなしに無理やりハロウィンのセンター街を通り抜けようものなら、全身の穴という穴から血を吹き出したあげく、環境に適応できず全身が膨らんだり縮んだりして最終的に張り裂けて爆死するだろう。しかし、今日はいる。
駅を出て、恐るおそるセンター外の方へ向かった。
ーーーすると
思わず声を失った。
(ま、まじかよ)
人 人 人
奴らは雨には滅法弱いのではなかったのか。
気がついたら人の輪から距離を取ってしまうタイプのぼくにとって目を覆いたくなるような恐ろしい光景である。
脱いでる人までいるし…
この中にいまから突入するのは気が重すぎる。
気が重すぎるので、もういっそのこと顔をカボチャで隠した。
かぼちゃ侍。これで非リアってばれないゾ!
さて、準備ができた…とはいえ、周りのように「ウェーイ」とかいって一緒に写真撮ろうなんて言えるわけがない。ウェイ語は第2外国語で選択しなかったからだ。
しかも、渋谷のハロウィンに来る女の子は平均レベルがめちゃめちゃ高い上に、彼女らは今まで関わってこなかった異世界の住人たちなのだ。
渋谷に来てから声もかけられず30分が経過し途方に暮れていたその時…
フリーハグの和風美人おねいさん2人組が
あ ら わ れ た
救世主かよ!
首からぶら下がっている看板にはしっかり「ふりぃはぐ」と書いてあるゾ!
…とはいえ、いくら「ふりいはぐ」と書いてあってもハグれないのが日本人。事実、そこだけ異様にメガネ率の高い取り巻きは沢山いたが、誰もハグしない。
なので、勇気を振り絞って「ぼ、ぼきでも、ふ、ふりいはぐしてもよろしぃでしゅかっ こぽォ!?」と聞いたら、快く「いいですよ!」と返してくれた。
本当にいいのか、と思いながらも意を決っして抱きつくと、向こうも強くギュッと抱き返してくれる。
「ふにっ」という擬音語が現実世界に文字として出てしまうようなはっきりとした感触がした。すごい柔らかい (何が)
この一晩中煮込んだ和牛のような柔さがリア充の女の子にしか出せない柔らかさなのだろうか。
そしてついでに、、、
もうこれだけでだいぶ満足だし、雨も降ってきたから帰ろうかと思ったが、顔が見えないのをいいことに調子に乗り始めるかぼちゃ侍こと非リア充。
幼稚園生に斬り込む
デビルにも斬り込む
マリオ&ルイージ。自撮りに慣れてないからブレるやつ
黒バニーちゃん。もはや見切れてるぼく
こんな上級技者の楽しみ方もあるのか。ハロウィンすげえ!
他にも、ナース、サンタ、チアガール、タバコ(?) などひとしきり雑談したのち写真を撮ってもらい満足。ほくほくしながら帰ったのであった。
結論:こわいイベントだと思ったら、意外とみんな優しかった。