ヨノナカ童貞。

食物連鎖の下から2番目

「日本死ね」が世論を二分している理由は「バカの壁」?

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『2016ユーキャン新語・流行語大賞』のトップテンが12月1日に発表された。大賞に選ばれた「神ってる」同様、トップテン入りしたワード「保育園落ちた日本死ね」が各地で物議を醸し、さらに同賞主催のユーキャンにも批判が殺到している。

今回の「保育園落ちた日本死ね」問題はきれいに世論を二分している。その代表的な主張は以下の2人から見てとれる。

 (´・ω・`)oO(『保育園落ちた日本死ね』が流行語。。しかもこんな汚い言葉に国会議員が満面の笑みで登壇、授与って。なんだか日本人としても親としても僕はとても悲しい気持ちになりました。きっともっと選ばれるべき言葉や、神ってる流行あったよね。。
皆さんは如何ですか?#流行語大賞

「死ね」が、いい言葉だなんて私も思わない。でも、その毒が、ハチの一刺しのように効いて、待機児童問題の深刻さを投げかけた。世の中を動かした。そこには言葉の力がありました。お母さんが、こんな言葉を遣わなくていい社会になってほしいし、日本という国も日本語も、心から愛しています。
両名とも今回の騒動の"主役"である。そしてこの2つの意見に賛同するかのように沢山のフォロワーがいる。

では、なぜこんなにも意見がすれ違うのか。

まず、ユーキャン流行語大賞の選考基準を見てみよう。
この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。
(ユーキャン流行語・新語大賞公式サイトより)


選考基準を要素に分けるとポイントは2つある。
①軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、②広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶ。

つるの剛士さん側の方は①を重視し、俵万智さんは②を重視しているように思える。

つるのさんは、いかに世相をついた「ことば」であってもその言葉が本来持つ意味やニュアンスがマイナスの言葉であれば、それは流行語大賞として相応しくないとしている。つまり、その表現に力点を置いている。

一方で、俵万智さんは、そのコメントからも分かる通り言葉の力によっていかに「人が動いたか」、「影響を及ぼしたか」を重視している。つまり、「ことば」の力でいかに多くの影響を及ぼしたかにフォーカスしているため、その「ことば」自体は別に何でも良いのだ。

以上から分かる通り、両名同じステージで議論していない。

それぞれが、それぞれの思う流行語大賞の立場に立脚して意見を述べている。


しかし、事態を一番複雑にしている  のは「流行語大賞」という言葉ではないだろうか。

ユーキャン流行語大賞の定義に立ち返ると、必ずしも「流行語」に賞を与えているわけではなく、あくまでも「選考基準」に照らし合わせて評価をしている。

選考基準に2つ以上の観点があるのであれば、いっそのこと2つに賞を分けてみては。

それにしても「バカの壁」もよく流行語になったものだ。