歪んだ20代男子の婚活手記②
さて、前回の資料請求後、12/25のどクリスマスにアポイントを取った。
歪んだ20代男子の婚活手記① - 世の中童貞。
その前日、なかなか眠れなかったのは、空が喘(あえ)いでいたからだ。
全国のリア中充たちが一斉にクリスマスに聖なる騎乗位をしたせいで、全国各地で聖なるP波が発生。数多のP波が同時多発的に発現したため、波動は共振し、やがて3P波へと成長。終いには元気玉となって僕の部屋を揺らしていたからだ。決して緊張なんかではない。
クリスマスイブ発-クリスマス行きの特急列車に乗ったカップルは平均 9と3/4番勝負はシているはずだ。
うん、前置きが長い。
前段が長くなったのはうらみ・つらみがあるからでは決してない。なぜならもう、大の大人だからだ。女性と話すときは基本口ではなくもはや背中でしか語らない。だから、全然クリスマスとかバレンタインとかそういう浮ついたイベントなんか気にしていない。むしろ気にしたことすらない。なんならクリスマスに女の子と一緒に過ごしたことないから過ごしてみたい。
そして当日。
朝早起きし、準備をする。
世の中のリア充は朝に追いセックスしている時間帯だ。僅かばかりの揺れを感じながら会場へと向かった。
なかなか本題に入らないのは感情が溢れ出して止まらないからだ。
もはや別記事にしたほうが良いレベルではないかというほどに心が掻き毟られている。
ーーはい到着。
クリスマスに結婚相談所に入会するなんて、端から見たら深刻なレベルの負け組である。
その後ろめたさからか、1分ほどではあるが遅刻する。まあ、冷静にちょっと怖かったというのもあるが。
受付を済ませて部屋に案内される。そして待つこと1分…
まず出てきたのはおそらくここのトップに君臨しているであろうおじさん。女性カウンセラーが出てくるとばかり思っていたため少々面食らった。
そして、一言目に「若いね〜!」
そうか、やっぱり早すぎたか。
平成生まれでクラスでは空気を読み、下校後は公園でのキャッチボールすら禁止されながら温室の中で育ってきたゆとり世代にとってはその一言で十分過ぎるぐらい (察し 状態だ。
そんな気もお構いなしに、おじさんは話を進める。
「当社はうんぬんかんぬんであり、創業何年の老舗うんぬん…信頼と実績裏付けられたぬんぬん…」
事業者としてサービスの説明責任を全うする義務があるのは分かる。でもやはり、機械的な前置きの説明は苦手だ。脳がすぐに校長先生の朝礼モードに入る。脳が70%は機能を停止する省エネモードだ。
事前資料はほぼ読み込んできたため、話はとりあえず、ふんふんふんふん頷きながら聞き流していた。そして8万円以上もする大金を支払い、入会。次はカウンセラーとの面談にうつる。
入ってきたのはおそらく40代ぐらいの女性だ。婚活相談所だけあって清潔感はしっかりしている。
そして面談開始。
結婚相談所にはいろうとした動機だったり、今までに大きな病気にかかったことあるかとか、就活と病院の質問事項を交配させたような質問を投げかけられ、それを1つずつ打ち返していく。
そしていよいよあの質問にはいる。
「どんな女性がご希望ですか?」
ーーきた。
もちろんその問題への答えの準備は万端だ。
それは、あれですよ。
マザーテレサぐらい優しくて、指原莉乃ぐらい収入があって、平野レミぐらい料理ができて、少年ジャンプを毎週号買ってくれるような気遣いができて、おのののかみたいに夜一緒に東京ドームでナイターをみてくれて、ローラぐらい甘えてくれそうで、顔は倉科カナで身体は乙葉みたいな娘ですよおおおおおおお!!!!!
とはもちろん言えず、「デブ以外で」ということで無難にまとめた。
そんな絞り方しかしていないので軽く、というか超不安なんだが。
さらにいうと、この20代という年齢は不利に働くらしい。カウンセラーによるとおっさんだって若者だって全員ロリコン。みんな20代の女の子が前世から大大大大好き。
だからこの相談所のなかではトップクラスに幼い僕は競争率が高いレッドオーシャンの中で戦わなければならない。そう、ここは生温い温泉街なんかでは無い。サバンナだ。
僕は大金を投じてサバンナのなかでマグロを釣ろうとしている。どんなプレイだこれは。
絶望。
しかも最近レンタルおっさんとか流行ってるし、頼り甲斐があると勘違いされているからかおっさんブームも確実に近づいている。僕に需要は無いのだろうか。
レンタルといえば僕にも彼女とかレンタルでよくね? と一時期こじらせていたことがある。
なので気持ちが分からなくもない。
というかもろもろ先に言えよとか思いながら、勧められるがままに泣く泣く相手の対象年齢を30歳から32歳に引き上げた。うぅ…いやだ。
そんなこんなで手続きは終了し、次回のアポイントは年明けの1月1週目とのこと。ここで候補の女の子を5名ほど選んでくれるそうだ。
そして、その5名の中で良さげな人がいれば選ばれた女の子に連絡がいき、僕のプロフィールを紹介してもらう。そして、それがOKであればようやく対面の機会が設けられるらしい。
しかも紹介は全て事務所での紹介なので、つどつどオフィスに行かなければならない。なんかくっそ効率悪くないか…。
さて、どんな女性が選ばれるのであろうか。
焦っても焦らなくても次は年明け。
本田圭佑も言っていた。
「勝負を決めるのは準備。気持ちの準備以上に大切なものはないんじゃないか」
と。
この格言は明日には忘れていると思うので、果報は寝て待つこととしよう。