歪んだ20代男子の婚活手記④ 【前編】
空前絶後の超絶怒涛の不安が押し寄せる。
前回までのあらすじ→歪んだ20代男子の婚活手記③ - 世の中童貞。
今日は結婚相談所の初日
朝10:30という早朝のアポイントメントだ。
事務所に入るとカウンセラーとアラサー、いやアラフォー?とも思える女性が楽しそうに立ち話をしている。なにがそんなに楽しい。おれは全然楽しくない。
ナイーブな感情のまま、待合室で待たされる。今日は5名紹介されるとのことだ。
待合室にいるとネガティヴな思考が加速する。
もう、それはそれは絶望的な気分だった。
年齢が全員年上でアラフォーとかだったらどうしよう…
顔が全員朝青龍似だったらどうしよう…
全員プロフィールに気合い入ってたらどうしよう…
既に母乳とか出てたらどうしよう…
ガッキーに彼氏ができたらどうしよう…
そんな気持ちになっていることも知らずに担当カウンセラーはなかなかこない。はよこいや!
こないので別のカウンセラーに「紹介部屋」なる部屋に通された。そこには6台ほどのPC。なんでも、PCから今回紹介された女性のプロフィールが見れるとのことである。
やばい何これ超おもしろい。
PCの前に座り、説明を受けながら会員情報を入力してログインすると紹介された5名の生年月日が映し出される。
5名中4名は年下で、1名は年上だった。
やるやん、カウンセラー!
まずは第一の年齢のハードルはクリアだ。
それでもまだ信じていない。
ネガティヴ過ぎて、自分のことは棚に上げて、どうせ結婚相談所にくるようなやつに可愛い子がいるわけがないと。ニーズがない売れ残りが来るんじゃないかと。高い確率で物の怪の類(たぐい)、いや化物の子なんじゃないかと。
さて、どんな化物の子があらわれるかと身構える。もうネガティヴ過ぎてハードルは地に堕ちているので、いまなら中の下ぐらいの女の子なら抱ける。地方のデリヘルで何度も化物と当たった。しかし、1時間きちんと闘い、耐え抜いた経験がある。大丈夫だおれ…大丈夫だおれ… 逃げちゃだめだ… you can do it…
おそるおそる1つ目をポチる…
おお…
お見事
化物や
まごう事なき
違う、顔がではない。
スペックお化けや…
まさかまさかの初っ端はハイスペックガールを開いてしまった。
・合格倍率、数千倍の日本を牛耳る超一流企業に在籍
・慶応大学法学部卒
時代が時代なら政略結婚に使われるレベルのスペックではないか。この時点でかなりビビっていたのに追い打ちをかけるように
・歳は2つ下なのに年収は僕の1.2倍
・4ヶ国語の語学の資格
・趣味は、華道、茶道…
どれだけ道を極める気なのか。僕なんかオナニー道ぐらいしか修めていないというのに。
まあ年収はあまり気にしないが、結婚ともなると相手の父親に挨拶をしなければいけないというどでかいハードルが待ち受けている。
東大経済学部卒の現役サラリーマンに挨拶とか絶対きつい。質問とかIQ130以上はないと答えられないものとか出てきそうだ。
そして、極めつけにアメリカの聞いたことある大学に留学歴アリと…
「あ、全部負けた。」
あまりのスペックにポカーンと口を開けていたが我に返って、「いや、お前さん普通にお相手見つかるやろ!!」と心の中でツッこむ。
この上級国民は前科でもあるのか前科が…
まあ、なんか深い事情があるのだろう。
スペックから察するにこれはかなり闇の深い性癖があるのだろう。あるいは、挨拶が「ご機嫌よう」とか、語尾が「〜だにゃん♪」とかそういう特徴があるのだろう。
しかし、一方で緊張よりだんだん好奇心が勝って楽しくなってきた。
まあ顔は少しアレだったが、写真うつりなんて基本悪いはずだから対面できたらイケるだろう。この娘には色んな意味でぜひ会ってみたいと思い申し込みにチェックをつけた。
そうそう、期待していたのはこういうのだ。出だしは悪くない。まさかの逆のサプライズにテンションは上がり、図らずとも次のプロフィールに期待値が上がる。
2人目…ちょうど良いのこいこいっ…!
なんか無駄に延びてしまったので
続く