ヨノナカ童貞。

食物連鎖の下から2番目

【地獄】初めての婚活パーティー

婚活、それは就活の次に待ち受ける人生のバトルロワイアル。誰もが一度は通らざるを得ない通過儀礼のようなイベントだ。
 
数々のメディアの婚活戦略により、「婚活は陽が射している華やかなイメージ」という印象があるかもしれない。
 
しかしその実態はそんな生易しいものではない。婚活とは戦であり、人生を賭した決算なのだ。
 
筆者は27歳というまあまあいい歳ながら、まだ婚活するモチベーションは全くない。しかし、今後を見据えた社会勉強のために、婚活パーティーに申し込むことにした。
 
生半可な気持ちで参加した者には到底耐えうるものではない地獄であることも知らずに…。
 
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当時は1年前ぐらいだろうか。僕が申し込んだ婚活パーティーは「男性は大手企業×女性は20代」という条件付のパーティーだった。
 
探してみると、こういった条件付のパーティーは珍しいものではなく、「高身長男性コン」とか「年収600万円以上コン」とか「自衛隊コン」とかまである。人間の浅ましさや、闇の深さが窺いしれる。
 
当日。
 
銀座の"如何にも"という場所が会場になっていた。男は単細胞だ。いつだってパーティーの前には期待してしまう。
 
「高身長のモデルにモテたらどうしよう」とか「グラドルレベルの爆乳が来たら即結婚しよう」とか、都合の良い妄想を次々と膨らませるのである。
 
まだ建てたばかりだと思われる新しめなビルに入り、エレベーターに乗り、上の階へとゆっくり昇る。少し経つとエレベーターが止まり、いよいよというところでドアが開くと、そこには受付らしきものがあり、上品な服装をしたお姉さんがにこやかに出迎えてくれた。
 
「〇〇パーティーにご参加でしょうか?」
 
「あ…は、はい」とどもる僕。
さすがに初めての空気感のためか慣れない。
 
促されるがままに中に入るとすでに開始時刻が過ぎているせいか、20組以上の男性と女性が机にズラッと向かい合って座っている。
「 ホンモノのやつだ〜」などと思いながら僕も荷物を降ろしてようやく席に着く。
 
席に着いたばかりでルールがよく分からなかったが、どうやら"第1部"では、【自己紹介→席移動】を1分ごとに行い、会場にいる人全員と挨拶をするようだ。
 
初めに「自己紹介シート」なるものを手渡されたので、自分の仕事や、趣味についてアピールポイントをひたすら書き殴った。そのシートは自己紹介の冒頭に男女お互い交換することになる。次々と対面する女性の品定めをし、品定めをされ返す。そう、我々は婚活市場における商品なのである。
 
だからドラマや映画には出てくるような"自然な出会い"はそこにはない。そこにあるのは、例えるなら、人が見守っている中で無理やりでも子作りをさせられるような、なんとも言えぬこの人工的な感覚だけ。手渡された自己PRシートを渡されては捌いていく感じ。
 
それはまあルールなのでしょうがないにしても、参加者の女性たちのヤル気には凄まじいものを感じた。
 
20人いるとすると、婚活証明写真からそのまま登場して来たかのような典型的婚活女子が4割。ホントに20代か?が1割。水商売してるの?が1割。まともなOLが2割、人外が2割といったところか。
 
しかし、まあよくもまあこんなアレを集められたなというほど顔面については厳しいものがあった。心の中の"大企業戦士の妻になって楽した生活をしたい"という穢れた欲望がそのまま顔面というインターフェースに映し出されていたのかと疑うほどだった。
 
彼女らは間違いなく、結婚のための結婚に憧れを抱いている。ぼくは未だかつてこんなにも女性と話すのが苦痛だと感じたことはなかった。
 
それでも1人だけ気になった娘がいた。大阪出身の食品会社勤務のOLだ。もはや会場内唯一の華といっても良い。もしかしたら会場を一度出れば大した競争力を持たない女性だったかもしれない。しかし、このガラパゴスな会場においては競争率が は20倍に膨れ上がってしまう。
 
クラスで16〜18位前後の容姿の女性に品定めをされる屈辱に耐えながら、会場唯一のかわいこちゃんを射止めるべくアピールする。
 
自己紹介が終わると「気になる相手の番号札」を書く紙が渡され、気になる番号札の娘を記入する。そしてその結果は相手に伝えられるのだ。確か、3人まで書くことができたはずだが、すでに一択クイズと化していたのでその娘の名前だけを書いた。相思相愛であれば良いのだが、世の中そう上手くは行かず、意中の相手からの「気になる」はもらうことができなかった。その代わりとして会場内で2番目にかわいいだろう女の子からは「気になる」をもらうことができた。業界も同じで話が盛り上がった娘だ。
 
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第2部はアピールタイムだ。気になった女性のところへ直接行き、何分かごとにシャッフルして話す時間である。ぼくの中では一択クイズだったのでもちろんお目当の娘のところへ向かい話をした。その娘以外に興味はなかったため、その後の時間は1人で空席に座ってボーッと会場を眺めていた。
 
第2部が始まって30分経過した頃だろうか。アピールタイムが終了し、またもや記入シートを渡された。いよいよファイナルアンサーを決める時間だ。シートに番号を記入しお互いマッチングをすれば番号が読み上げられ、2人で2次会を過ごすことができるというのだ。果たして結果はどうだっただろうか…?
 
 
結果は、無慈悲な落選だった。中間発表の時点で察することができたが。
 
こうして、人生初めての婚活パーティーは幕を閉じた。本気で婚活をしたい人にはオススメするが、良い出会いになるかどうかは正直分からない。個人的には人生の最終兵器として使って行きたいと思った。